12月は毎年誰しも忙しいものですが、ご多分に漏れず弊社も「忙しい、忙しい」とぶつぶつ言っている間に気づいたら年の瀬を迎えていました。
とはいっても、11月のときにも書いたようにいわゆる現場仕事は最盛期に比べると落ち着いてきているので、何となく忙しい気分なのは、実務による時間の圧迫によるものではなく、年末に向けて決めごとのデッドラインが迫ってくる気忙しさが原因かもしれません。ほとんどの人がそうかもしれませんが。
あっという間に過ぎた12月ですが、振り返って何か感想めいたものを話すとすれば、▶FeedTech 2018というイベントが挙げられるかなと思います。最後のセッションで出番をいただき話しました(モデレーターです)。
セッションのタイトルは「2018年のデータフィード広告の総括と今後の展望」というもので、イベントの締めくくりという位置づけでもあったので、個別具体的な事例やTipsを出すよりはむしろデータフィードのこれまでの経緯と比較的近い未来の方向感を適度に抽象化して提示する、ということが求められました。
データフィード自体は枯れた技術であり概念ですので、データフィードそのものの進化ではなく、それを活用したビジネスや情報行動の転換にこそ未来があります。ですので、議論の対象はデータフィードそれ自体ではなく、過去に何度も描いてきた「データフィードによって変わる未来予想図」の答え合わせをしながら、技術と情報の出口(主にメディアやプラットフォームの動向)の向いているトレンドとなり、そこから導かれる未来を推論する、という感じで進行しました。
セッションそのものは割とキレイな流れになったのですが、今回はモデレーターの割に話し過ぎてしまったことが反省点です。
このイベントのサブタイトルは「データフィード革命」だったのですが、こういった地味な分野の「革命」は、革命家が大声でワーワーと喧伝した結果成就するような性質のものではなく、あるいはA地点からB地点へと線形で移りゆくことで達成されるようなものでもなく、「ボヤーっとしたモーフィングの結果、いつの間にか周りの景色がガラッと変わっていた」というような革命だと思います。未来から振り返ったときに「あれは今思えば革命的な出来事だったよね」と追認するような、そんな革命です。
ですので、議論をする上で、変化に要した時間の経過は無視できませんでした。”分かりやすさ”を重視するとその時間の経過を見落としがちになるので、ミスリードを避けるために順序立てて言葉に尽くす必要がありました。はい、発言回数が増えてしまった言い訳です。
とはいえ、一緒に壇上に並んだアナグラム田中さん、フィードフォース川田さんは長く現場の最前線で仕事をされている聡明なお二人なので、無理に私がモデレーター然としなくても、肩肘張らずに雑談めいた感じで話すことができたように思います。個人的には非常に愉しかったです。
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話は変わって、年内最終日の12月28日は、敬愛するバンドであるサニーデイ・サービスの年内最終公演「サニーデイ・サービスの世界 追加公演 “1994”」がありました。5月に永眠したドラマーのハルシゲくんへの追悼ライブでもあります。
二十歳頃に一緒に聴いたりライブに行ったりしていた古い友人も何人か見かけたりして、お互いに「歳とったね」なんて言いながら、小さな同窓会のような年の瀬を迎えました。
20年前と同じようにアンコールで「コーヒーと恋愛」を聴けるのは仕合せなことであると同時に、曲目以外はすべてのことが変わっていることも実感させます。
2018年はたくさんのことが起こり、たくさんの方のご協力のおかげで愉しく過ごすことがありました。本当にありがとうございました。
2019年も、どうぞ宜しくお願い致します。