2020年4月〜 持続するための一時停止を眺めて

会社概要の自己紹介

趣味は地形散歩やトレッキング(特に秘境滝好き)、レコード店・古書店・カレー名店めぐり。そのすべてを満たす土地が千代田区神田神保町

と書いているとおり、私は散歩と神保町のどちらも好きでこの場所に事務所を構えているので、2020年4月という月は、その好きな街の好きな店がぞくぞくと閉まっていくのを眺めてはなんとも複雑な気持ちになっていました。

※自宅から徒歩圏内ということもあり、生き物の世話と郵便物やECの配送業務で定期的に出社していました(事務所には私一人だけ)

ある古書店の店主は、自粛期間に入る前の4月のある日、

店を休止するのは辛い、というより、途中の手を止めるのが億劫なのだ。信号が黄色に変わるのが分かっていて交差点に進入する車を運転するときのような感覚。

と表現しています。

信号は黄色から赤に変わり、やがてまた青く点灯するでしょう。ただ、そのときには辺りで救急車のサイレンが鳴り響いていてハザードランプを点灯させながら横付けして待たなければならないかもしれないし、待っている間にガソリンやバッテリーが切れてしまうかもしれない。

燃料がなくなった自家用車を押してでも進める人は稀ですし、そうまでしてたどり着きたい目的地があるかどうかも、人によって違うでしょう。

これは共感ではなく単なる投影だという自覚はありますし、経営者としては非生産的な思考なのかもしれませんが、それさえ否定して肯定的な未来だけを語るのは性格的にむずかしい。できれば、ちゃんと傷ついて、ちゃんと立ち直りたい。

私は比喩的な意味での渋滞(選択肢が強制的に削られている状況)が苦手なのですが、時間は状況を変え、車は徐々に前に進み、どこかで選択肢をつくるゆらぎを与えてくれます。

5月はそういうゆらぎがたくさん見つかる月になると、そう信じています。