2018年9月〜 初年度のおわり。

9月はLIFTの年度末でした。

ついに初年度がおわったぞー!!
実際は9ヶ月の稼働でしたが、なかなか楽しかったです。決算はこれからですが。。。

初年度を振り返ると、お仕事については、いろんなことがたくさんありました。

「たくさんありました」と書きましたが、どちらかというとLIFTの外側が多かったです。年度の最終営業日である9月28日は、こんなリリースも出しています。

LIFTは立ち上げてまだ1年に満たない会社なのですが、その間に2社の取締役を拝命し、古巣であるアタラのフェローという仕事を入れると、計4社と関わることになりました。

我ながら自分がこの重責に耐えられるのか少々心配です。はたして大丈夫なんでしょうか、自分。

“スタートアップは自社に全てを注げ” というのが世の中のセオリーだと思いますが、私は経営者としてはへっぽこ太郎だという自覚がありますので、ちっぽけ太郎な自分の力をアンプリファイして世の中に価値として戻すには、自分のところだけで「ぜ、全力〜!!」とウンウン唸っているよりも、いろんな人たちとすみやかに協働して、一緒に仕事をした方が確実に早いし価値も大きいと信じています。(あと、LIFTはスタートアップじゃなくてスモールビジネスだという自覚もあります)

ですので、分散型メディアじゃないですけど、私自身の興味と、時代の流れと、関係する企業や顧客の持つ課題やニーズが重なるところで仕事をしようとすると、どうしてもこんな感じで主戦場となるプロパティをまたぐことになります。

方法論が違えば世の中と同じセオリーを踏襲する必要はないと思うのです。
へっぽこ太郎がすごい人たちと関わることで、3割のリソースが10割以上の価値を持てばいいのだと。

多少の贔屓目は承知のうえで言えば、アタラはデータマネジメントとその運用では日本屈指の会社に成長しましたし、広告運用の分野でアナグラムに伍する品質と体制を持った会社を見つけるのは困難ですし、データフィードをフィードフォースより真面目に考えて実行している会社は日本に存在しません。

自分自身は決して誇れるような仕事はまだできていませんが、こういったキラ星のような経営陣とメンバーが伸ばしてきたユニークな企業を通じて、足りない自分の力を補いあいながら、世の中に価値を返していく。そんな感じのボンヤリとした方向感が見えてきた初年度だったと思います。

もちろん、お客さまにも恵まれました。先月のコラムでも書きましたが、遠い未来でも絶対に続いていてほしい、本当に意義のある事業をされている企業さんとのお付き合いが始まりましたので、LIFTをパートナーの一つに選んでいただいたからにはできる限りのことをしたいと思っています。

そういえば、前月に引き続き、Backsideworks.さんにお願いして、秋バージョンを描いていただいてトップページを更新しました。今回も例によって最高なんです。

秋なので、テーマは「読書の秋」でした。電子書籍の時代ですが、置いておきたい本は紙で手に入れたいものです。

置いておきたい本といえば、ずいぶん前に、装丁がカッコいいという中学生のような理由で買って積読棚の隅に置いてあったエリック・ホッファーの『現代という時代の気質』、訳者の柄谷行人の帯に「そろそろ読みなさい」と呼ばれた気がして、なんとかこの9月に読み終わりました。

帯のとおり「今日まさに有効である」という読後感で、発売は2015年ですが、3年後の今だからこそ沁みる、(今のところ)今年一番の読書になりました。

特に、1章の「未成年の時代」、2章の「オートメーション、余暇、大衆」はほぼ全文赤線レベルで、高度経済成長期に通過した近代化のから騒ぎと、現代の人工知能周りの議論につきまとう不協和音とが、半世紀越しに相似性を帯びていることに気付かされます。なるほど、1960年代の本が今になって文庫化される理由は、これかと。

純然たる技術革新がもたらす急激な変化に対峙する際に、人文の知が依然として有効であると認識できるのは、個人的にはちょっとした救いでした。もっと勉強しないといけません。