2020年2月〜 水槽と経営

昨年の12月に水槽について書いたのですが、あれから2ヶ月ほどが経ちまして、だいぶ全体的にモサモサしてきました。

水槽の維持には継続的なメンテナンスが欠かせないのですが、そのメンテナンスを構成する要素の1つに、トリミング(剪定)があります。

これが地味に難しいです。

難しさのほとんどは、技術面ではなく心理面にあります。以前の投稿では水槽の立ち上げと事業の相似性について書きましたが、事業と同じく、水槽の立ち上げはそれなりに難しいです。難しいがゆえに実際の行程は楽しく、苦労のすえ育ってくれた水草たちにはそれなりに思い入れも出てきます。

私のような素人にとって、この思い入れは剪定に心理的なブレーキをかけるのに十分な理由となります。初期のショボショボのつらい時期の記憶がまだ新しいため、水槽を見ては「かわいい…」「切るなんてもったいない…」という日が続きがちです。(きもちわるい)

事業と水槽は相似形ですが、事業とはちがって水槽は最初からサイズの最大値が決まっています。限りあるリソースの中で適切なバランスを見極め、常に成長を続ける水草が持続可能な状態にあるように生態系を維持していくには、トリミングは必須なのです。

必須なのですが、それが心理的に本当にむずかしい。とにかく切るのが忍びない。結局、「そろそろやらなきゃなあ…」と思いながら1ヶ月くらい漫然と中途半端な手入れに終始し、だましだまし過ごしてしまいました。

そうやってウダウダと行動に移せない間に、水槽はぐちゃぐちゃのカオスみたいな状況になり、成長の早い植物が幅を効かせ、魚やエビが泳ぐ場所がどんどん少なくなっていきました。箱の中のバランスが崩壊しかかったのです。

これって、事業の意思決定でも似たようなことが言えるなあと、意を決して水槽にハサミをチョキチョキ入れながら思いました。

意思決定の決定的な遅さや、個別の思い入れは全体へ悪影響を及ぼします。ある水草は自由を謳歌していても、ある水草は放っておけばいずれ枯れてしまう。整っていた外観は徐々に醜くなり、水換えを少しでも怠ればすぐに内部崩壊に向かいます。

トリミング自体に技術はさほど要りません。必要なのは「タイミング」と「見極め」、あとは「思い切り」です。

私は果たして日々の意思決定を思い切りよくできているだろうか、そんなことを水槽の片付けをしながら思う日々です。

というわけで、今後も引き続き無駄に水槽から学んでいきたいと思います。過学習で変なアウトプットしないように気をつけます!