2024年 8月 26日に発売された『いちばんやさしいはじめてのGoogle広告の教本』は、その前身の『いちばんやさしいリスティング広告の教本』(2018年 10月発売)の内容をリニューアルしたものです。
LIFT は著者の田中さんにとってもお世話になっており、私自身、前作も愛用していましたが、今作は前作にも増して充実した内容でしたので、みなさまにもお伝えしたいと思いこの記事(感想)をまとめました。
発売直後の 2024年 9月に田中さんが金沢にある LIFT のオフィスに遊びに来てくれたので、書籍を執筆する際にこだわったところも聞いています!
「いちばんやさしいはじめてのGoogle広告の教本」 著者:杓谷 匠、田中 広樹、宮里 茉莉奈 全 328ページ
*目次
Chapter 1:Goolge広告を使いこなすための基礎知識
Chapter 2:Goolge広告のアカウントを作成してみよう
Chapter 3:[検索広告]運用型広告の基礎を学ぼう
Chapter 4:[ショッピング広告]ECサイト運営者は必ず実施しよう
Chapter 5:[ディスプレイ広告]圧倒的多数のユーザーに接触できる
Chapter 6:[動画広告]YouTubeに広告を配信しよう
Chapter 7:[デマンドジェネレーション]Googleのサービスに配信できるのが魅力
Chapter 8:[アプリ広告]Google Playに広告が配信できる
Chapter 9:[P-Max]Googleの技術を結集した究極の自動化
この本は、Google広告をこれからはじめようと思っている人やはじめたばかりの人が、広告を作成する上でのマニュアルとしてデスクのそばに置いておくための本です。
初心者だけでなく、しばらくGoogle広告を触っていなかった人や、広告代理店などで新人教育を行う際の教科書としてもおすすめです。
田中さんに執筆するうえでどんなことを意識したのか聞いてみたところ、ネット上で見かける「あの広告」はどんな種類の広告で、どうやって掲載しているのか? そもそも Google広告ってなんだろう…?といった、はじめての方の素朴な疑問にしっかり回答することを心がけたそうです。(だから参照しやすいのか…!)
初学者の方がステップ・バイ・ステップに読んでいくだけでなく、復習用に必要なときにさっと該当箇所を参照する、という使い方もしやすくなっています。
最初の章で広告の掲載場所やフォーマットについての説明があり、そのあと各キャンペーンタイプの詳細な解説へとつづきます。キャンペーンの特性を知ったあとだから自社やお客さまの目的に合ったキャンペーンを探しやすく、その章にある手順に沿って進めていけば、検索やショッピング、動画、デマンドジェネレーション、アプリ、P-MAX のどれでも作成まで進めることができます。はじめてでも迷いにくい構成です。
さらに、躓きやすいことでおなじみの Google タグマネージャーや、ショッピング広告で必要な Google マーチャントセンターの設定や商品フィードの作成方法も網羅しているので、Google広告の基礎を幅広く学べます。
Google広告をはじめとして大手のプラットフォームには膨大な量のヘルプドキュメントがありますが、はじめて読んだときには難しい用語と複雑な言い回しが多く、何が書かれているのかさっぱりわかりませんでした、、、(今もですが 汗)
だからこそ、ヘルプをしっかり読み解くために最低限必要な知識をあらかじめ網羅することができる本書は、「ヘルプを読む前に読むヘルプの本」だと思います!(本書の「おわりに」にそういった記載があります)
ヘルプについてはこちらの記事もご参照ください!
疑問に思ったことを Google のヘルプページで調べる際、読んでもイメージが湧きにくい内容ってありませんか? 本書はいちやさシリーズならではの図や表がふんだんに使われているレイアウトで、見開きで情報量がまとまっているので、パッと見てイメージがしやすいです。
たとえば、ディスプレイ広告について書いてある Chapter 5 の中に、ターゲティングに関して書かれたセクションがあります。
オーディエンスセグメントは種類がたくさんあり、ターゲティング設定時の悩みポイントの一つだと思うのですが、ここではセグメントごとの説明が表にまとめられていたり、別の迷いポイントであるセグメントの組み合わせについても図を使って説明がされていたりと、多くの人が「難しいな」「ややこしいな」と感じる範囲をしっかり網羅されているのが印象的でした。
本書は、広告を作成する方法が載っているだけではなく、広告を運用していく上での各キャンペーンごとの改善策やコツ、ヒントも満載なので、Google広告をはじめたあとでも手に取る機会が多くなります。
田中さん曰く、「主要なキャンペーンタイプすべてを網羅している書籍がこれまでなかったので、Google広告全体をカバーする書籍を作ることで長く手元に置いてもらうようにしたかった」とのことで、私自身もデスクのすぐ手の届くところに置いていて、サッと基本を振り返ることができるので手放せません。
P-MAX やインテントマッチへの対応など、ギリギリまで最新の情報を盛り込めるように粘っていたとおっしゃっていたこともあり、この記事を書いている2024年10月現在に販売されている書籍の中でも、もっとも新しく網羅性の高い内容となっています。
運用型広告、中でも Google広告は頻繁に機能が更新・追加されますが、アップデートによって細かい仕様が変わっても息長く使ってもらえるよう、基本に重点をおいて執筆されたともおっしゃっていて、最新の機能に寄りすぎず、基本的な概念を丁寧に説明されているので、執筆意図のとおり、長く使われる本になると思いました。
冒頭でも触れましたが、著者の田中さんは LIFT の社員に向けて研修をしていただいたりと、いつもお世話になっている方です。
田中さんの研修はとても丁寧で、小さな疑問でも分かるまでやさしく解説してくれます。本書はまさにそんな研修のような内容で、受けたことのある私は「いつもの田中さんがいる…!」と感じました(笑)。
※いちやさシリーズは実際に研修を受講しているような感覚で進んでいく構成にしているとのことで、私の感覚は間違っていませんでした(^^)
あまり触れる機会の少ないキャンペーンタイプはどうしても知識が曖昧になりがちで、いざ設定する時になって慌ててしまうものですが、本書があれば安心です。「あれ?思ったより複雑じゃなかった!」と、苦手意識のある分野が減ったので、今や私の頼れる相棒です。
今から Google広告をはじめる未経験の方や、経験者ではあるけれど「ぜんぜんわからない。俺たちは雰囲気で運用をやっている」と悩むことのある方にぜひ読んでほしいです。「はじめに」と「おわりに」も必読です!