「ページ下部の検索広告の関連性向上」とは何か
すでにだいぶ前の話になってしまうが、Google が 2025年4月に「ページ下部に表示される検索広告の関連性の向上」というタイトルの記事を公開している。
今回のお題です
このアナウンス、正直言ってざっと読んだだけでは何が変わったのか分かりにくい書き方になっている。
分かりにくいのでとりあえずコメントだけはしておこうと思い、発表当時に Twitter(X)でかんたんに解説はしたものの、それっきりになっていた。
Googleが「ページ下部の検索広告の関連性向上」というタイトルのアナウンスを公開している。これは一読しただけだと混乱するというか、すごく分かりにくいのでちょっと読み込んだ感想を書いていくhttps://t.co/qXQfTXN29a
— Yoshihiro OKADA (@adreamgoeson) April 21, 2025
ただ、これ以降の Google 検索広告では実際に大きくスタッツが変化してきているし、それは広告主にとって必ずしも心地のよいものではない(都合のよい場合もある)にもかかわらず、いろんな企業さんとお話ししていても意外と知らない人が多いことに最近になって気づいた。
実はこれは、同じタイミングで実施されたダブル・サービングについてのポリシー変更と合わせて考えると Google の検索広告ビジネスにとっても大きな転換点の一つだし、彼らの狙いが浮き彫りになる(と書くと大げさだけど、明らかではある)変更なので、今さらながら備忘録として以下にまとめておこうと思います。
検索広告の配置について
冒頭で書いたとおり、この「ページ下部の検索広告の関連性向上」は分かりにくい。現象が入り組んでいるのと、Google が説明を端折っているからだ。(本音を書いてしまうと角が立つからだと思う)
なので、まずはちょうざっくりと Google がこれまで行ってきた検索結果ページ(SERP)の広告枠のルールをおさらいしつつ、「検索結果の広告枠はどういうルールで配置されているか」を共有してから本題に入りたい。
(個々の細かいアップデートは挙げるとキリがないので、あくまでちょうざっくりです)
かつての検索広告は、ページ上部と下部に広告枠が存在し、1つのSERP(= 1 query)に対して1つの広告オークションが発生し、掲載可否や掲載順位が決定されていた。ちなみに掲載可否も順位も、審査を除けば基本は広告ランクによって決まる。

「広告枠の位置」だけでいえば、アドワーズ広告時代は SERP の右側から始まって、現在のようなオーガニックの上部に位置するプレミアムポジション、2 ページ目以降やページ下部への追加など、様々な変遷を経て現在に至っている。
ただ、基本的な考え方はずっと変わらず、SERP が求める品質および広告ランクの閾値を超えた広告が高い順に上から並ぶというシンプルな仕組みによって広告は配信されている。今でもこのように理解している人が多いと思う。
ちなみに小見出しに「固定変動枠」と書いているが、この奇妙な表現は、「広告が出るとしたら枠の位置は”固定”されているが、枠が出るか出ないかは品質次第なので、存在そのものは”変動”」という意味になります
ところが近年、SERP に含まれる広告枠の位置がオーガニックに混ざるような動的なものへと変化した。
2024年3月に広告主に向けて発表されたアナウンスには以下のような説明がある。
上部の広告は、上部のオーガニック検索結果の横に表示されます。通常、上部の広告は上部のオーガニック検索結果の上に表示されますが、特定の検索語句では上部のオーガニック検索結果の下に表示されることもあります。上部の広告の配置は動的になるため、検索内容に応じて配置が変わることがあります。
上部の広告 – Google 広告 ヘルプ
引用部の太字は筆者による強調です
2024年3月のリリース
「上部なのに…下部…??」といぶかしんでしまうが、要するにこの変更によって、それまでは10件ひとかたまりのオーガニックリストの上もしくは下に位置していた広告が、2024年3月以降、オーガニックとオーガニックのあいだに動的に挿入されるものになったということだった。

こちらの記事でも触れています
その後は、2025年10月に広告の表示形式が「スポンサー広告」ラベルにまとめられ、色やバッジ、アイコンのようなもので区別することが完全になくなった。(これは個人的に、過去20年以上の表示変更の歴史の中でも最悪級に紛らわしいやつだなと思っています)
これまでの検索広告には、【広告】といった薄いバッジがついていたり、レイアウトがオーガニックと若干違っていたりして、広告かどうかは見た目である程度判別可能になっていたのだが、この変更によって、スニペットだけを見て両者を識別することはほぼできないほど似通ったものになった。(もちろん厳密には広告アセットによって異なるのだが、一般の人が意識するのはむずかしくなってしまった)
加えて、上述の「広告枠はオーガニックの間に動的に挟まることがある(2024年3月変更)」という動的ルールは 2026 年の現在でも継続しているので、今ではオーガニックそっくりの見た目の検索広告が、(ブロックを分かつ罫線だけで)オーガニックとオーガニックのあいだにしれっと位置することになった。

というわけで、現在の SERP は、どこからが広告でどこからがオーガニックなのか、ほとんど意識できない仕様になっている。
マルチ・オークションとダブル・サービング
ふりかえりが長くなってしまったが、やっとここから本題である。
2024年3月の「上位の広告の定義変更」によって、ページ上部(実質中部〜下部)の広告が動的になってから約 1 年後の 2025年3月、Google はもう一つ大きな変更を加えた。それが「検索結果内で広告枠ごとに別々のオークションを実施する」というアップデートだ。
冒頭でも出したこの記事です(発表自体は2025年4月)
先ほど触れたように、検索広告の基本的な考え方は、SERP が求める品質および広告ランクの閾値を超えた広告が高い順に上から並ぶというシンプルな仕組みである。つまり、広告の位置が上だろうが下だろうが、それはよーいドンで一斉に広告主がオークションに入った結果でしかない。
ところが、2025年4月の「ページ下部に表示される検索広告の関連性の向上」によって、そのルール自体を Google が変えたことが明らかになった。一言でいうと、上部に掲載される広告と、下部に掲載される広告のオークションは、同一ではなく別々に行うこと(マルチ・オークション化)にしましたよ〜ということだ。1 回の検索で、オークションは複数回実施される。
本日は、検索結果ページの下部に表示される検索広告の関連性を高めるために最近行った変更について、詳しくお知らせします。Google でユーザーが検索を行うと、検索広告が掲載される位置(プレースメント)ごとに別々のオークションが実施されます。たとえば、上部広告は、他のプレースメントに表示される広告とは別の検索広告オークションで選ばれます。これまで、個々の広告主様の検索広告のプレースメントは、通常、所定のページ上の 1 つの場所だけに限定されていました。
ページ下部に表示される検索広告の関連性の向上 – Google 広告 ヘルプ
太字は筆者による強調です
これだけ読むと「ふ〜ん。。。それで?」という感じだが、この変更には一つ大きな問題がある。
1 つの検索結果( 1 SERP = 1 query) で複数のオークションを実施してしまうと、理論上はダブル・サービングを許してしまうことになるのだ。
ダブル・サービングとは、1 つの検索結果に同じ広告主の広告が 2 つ以上掲載されることを指す。同じ会社の同じドメインの広告が同じ検索結果に複数表示されていればそれはダブル・サービングだし、その会社が意図的に別々のドメインをたくさん作って、それぞれ別々の広告アカウントで出稿し、検索結果を自社の広告で占領しようとハックすれば、それも意味的にはダブル・サービングとなりうる。
同じ会社やドメインの結果ばかりになるとユーザーからすれば「なんだこりゃ」となり、検索エンジンとしての信頼性が失われるので、Google は大昔からこのダブル・サービングを規制してきた。
オーガニックでも 1 ページあたり 2 本まで(しかも2本目はネストされるので同一ドメインと分かるようにする)というルールは 20 年ほど続いたし、広告に至っては開始以来(一部の許可されたマーケットプレイスを除き)、ダブル・サービングはずっと NG だった。
もし「ページ下部に表示される検索広告の関連性の向上」という名のマルチ・オークション化によって 1 つの SERP 上で複数のオークションが行われるようになると、それぞれのオークションで同じ広告主の広告が勝利してどちらも表示される可能性が出てきてしまう。そう、ダブル・サービングだ。
これを放っておくと、自社サービスの根幹にかかわる重要なルールを Google 自らが破ることにつながってしまう。
ポリシーを変えて禁止事項を回避
ゲームでも何でも、胴元が自らルールを破るとモラルが崩壊し、場(プラットフォーム)は成立しなくなる。
なので、Google はこのダブル・サービングについてのルール自体を変えることにした。
それが同リリースで言及されている、「不当な手段による利益の獲得に関するポリシー(Unfair Advantage Policy)」の更新である。
1. Google 広告は、検索広告の重複配信に関するポリシーを変更するのですか?
いいえ。検索広告の不当な手段による利益の獲得に関するポリシーは、1 つのプレースメントでの広告表示を巡って競合する広告に適用されるものです。この点がもっと明確になるように、ポリシーの文言を先日更新しました。今回の変更では、上部のプレースメントに広告を表示している広告主様が、ページ下部のプレースメントでも広告を表示できるようになります。ただし、1 つのプレースメント(上部か下部)においては、引き続き既存のポリシーが適用されます。
ページ下部に表示される検索広告の関連性の向上 – Google 広告 ヘルプ
太字は筆者による強調です
太字部分にあるように、ポリシーの更新後は、同一広告主が「異なる広告位置」であれば、同一の SERP に複数回表示されても OK だと明文化されるようになった。
これまでは、1つの SERP で行われるオークションが 1 回のみだったため、「1 SERP ≒ 1プレースメント」が成立していたが、SERP 上で上位と下位という 2 つのプレースメントごとにそれぞれ別々のオークションが行われる変更に合わせ、ダブル・サービングの定義を「同一ページ全体ではなく、同一広告枠(プレースメント)内のみ」に限定することで、重複配信(ダブル・サービング)を論理的に避けたのだ。
「これまでどおり自社の広告アカウントの中では競合しない(自社の広告同士で引き上げ合うようなことはない)けど、今後はSERP に自社アカウントから複数の広告が出ることがありますよ〜」というロジックは、一言でいえば要するに規制緩和だろう。関連性を盾に、オークションの蛇口をガバガバに広げたのである。
なぜそんなことをするのか
では、なぜ Google はルールから変えないと整合性が取れないような変更を行ったのか。
それはもちろん、変えたほうが儲かるからである。

上図にもあるように、メディアの売上の最重要変数は RPM(Revenue per mille:1,000回表示あたりの収益)である。その構成要素をざっくりまとめると「単価」「カバレッジ」「広告枠数」「広告品質」の 4 つになる。
だから、ふつうに考えると、ルールを変更してまでやりたかった検索広告のマルチ・オークション化は、この 4 つの要素のいずれか(あるいは複数)に強く影響するはずなのだ。
リリース文には、以下のように書いてある。
先ごろ Google がページ下部に表示される広告のユーザー エクスペリエンスを詳しく調査したところ、興味深い事実が確認されました。ユーザーは多くの場合、上位に表示される検索結果からページを下にスクロールしてコンテンツを確認しますが、下部にあるコンテンツよりも上位の検索結果の方が関連性が高いと判断した場合には、上までスクロールし直しているのです。
(中略)
この変更について数か月間テストした結果、上部広告を掲載した広告主様が下部広告のオークションにも入札できるようにすると、極めて関連性の高い広告の掲載率が約 10%1上昇し、下部広告のコンバージョン数も約 14%2 増加することがわかりました。ページ下部におけるユーザー エクスペリエンスと広告主様にとっての価値の両方の向上が見込めることになります。
ページ下部に表示される検索広告の関連性の向上 – Google 広告 ヘルプ
太字は筆者による強調ですぞ
まず引用の上段部から見ていくと、
「上位に表示される検索結果からページを下にスクロールしてコンテンツを確認しますが、下部にあるコンテンツよりも上位の検索結果の方が関連性が高いと判断した場合には、上までスクロールし直している」
とあるが、まあこれは当然の結果だと思う。検索結果は上から順に関連性が高いと判断されたものが並ぶように進化しているので、この説明自体はほとんどトートロジーで、「そうしてるから、そうなる」だけに見える。
2024年3月の「上位の検索広告の定義に関する Google 広告の更新」によって広告とオーガニックの結果はブレンドされているので、この状況は広告をオーガニックと誤認させることによって、品質が相対的に低い広告が検索結果の中段より下に位置することによって引き起こった可能性もありうる。下部の広告(定義上は上部)では満足できず、わざわざスクロールして最上部(AI Overview でなければだいたい広告)に戻っているからだ。
これは、最上部付近に掲載された広告と、それ以外の広告とで品質の差がある場合に起きやすいと考えられる。なので、シングル・サーブによって検索結果のユニークネスを担保するよりも、マルチ・サーブになったとしても上部以外の関連性が高くなるのであればユーザーにとって利便性も上がるから別にいいじゃないか!と開き直る口実としてユーザー行動が使われているとも読める。
ここでいう関連性や利便性は、RPM の構成要素でいうと「広告品質」に該当する。「極めて関連性の高い広告の掲載率が約 10%1上昇」という表現にあるように、関連性が高まれば広告品質の構成要素である推定クリック率も上がり、広告はよりクリックされやすくなる。(検索広告はクリック課金なので、クリックされないと Google は儲からない)
同時に、マルチ・オークション化によって、関連性が高い広告は下部の広告枠でも表示される可能性が出てくるので、「カバレッジ」と「広告枠数」にも増加圧力がかかる。シングル・オークションのときは下部広告に適切な広告主がおらず空枠(非表示)になっていた場合でも、下部オークションに上部にいた広告主の別の広告がサーブされる可能性が出てくるので、広告の掲載機会や掲載枠数は増えやすい。
さらに「単価」にも影響が出てくる。2010年代後半から Google広告はほぼ自動入札化されており、昨今では P-Max のような全自動キャンペーンも広がっているので、入札単価は推定コンバージョン率によって上下しやすい環境になっている。記事に「下部広告のコンバージョン数も約 14%2 増加することがわかりました。」とあるように、自動入札の場合はコンバージョン率が上がると平均クリック単価も上がりやすいため、マルチ・サーブ化によって下部広告のコンバージョン性向が高まると、結果的に入札単価や約定単価も高まっていくのである。
このへんのカラクリはこの記事に書いてあります
というわけで、まとめると「ページ下部に表示される検索広告の関連性の向上」によるマルチ・オークション化は、RPM の構成要素すべてにポジティブに影響し、Google の収益性を引き上げる効果がある。だから20年来守ってきたダブル・サービングルールを無理やり変更してでも実施したかったのである。
実際に起きていること
この記事を書いている 2026年 2月時点ですでにダブル・サービング開始から 10ヶ月ほど経過しているので、影響の全体像はだいぶ見えてきている。
もちろん個々のアカウントごとに見える景色はぜんぜん違うのだが、例があったほうが分かりやすいと思うので、説明がしやすそうなものをいくつか挙げていきたいと思う。
割と多くのアカウントで起こっていそうなのがこの事象だろう。自社ブランド名や商品名を示すいわゆる「指名キーワード」において、2025年 3月下旬〜 4月上旬を境に、表示回数が増加した一方で、クリック率が下がっている傾向にある。
以下のように、某アカウントの指名キャンペーンの 2025年 4月を真ん中にして前後 3ヶ月の実績を抽出してみたところ、以前の 3ヶ月は表示回数が 10万回台、クリック率は 40%台だったものが、4月以降はそれぞれ 20万回台、30%台と大きく変化している。(平均クリック単価は変わらず)

これは、
- Generic Term に近いクエリで、上部は他の広告グループから配信されたあと、下部に指名がトリガーされた
- 指名でも上部の広告ランク閾値を超えなかったクエリに、下部では必要なランクを満たしたためトリガーされた
という 2 つの事象が起きているのではないかと想像される。特に 2. については、検索語句レポートを見るかぎり明らかにその類のクエリでの表示回数が増えているので、仮説としては合っていそうに思える。(1. についてはキャンペーン設計次第で感じ方が変わると思うが、「上部vsその他」の項目を見るかぎり起きてそう)
上記のケースでは、ダブル・サーブ後のクリック率は10ポイント以上下落しているので推定クリック率(広告品質の要素)に影響がありそうだが、平均クリック単価はこの期間でほとんど変わっていないので、品質評価に影響はなさそうなことが伺える。※これは品質評価のメカニズムを考えれば当たり前ですが
仮に単価が変わらなかったとしても、クリックの下落率よりも表示回数の増加率が高ければ、キャンペーンのコストは増えていく。(実際に上記の例でも 2025年 4月以前と比較すると指名の総費用が 2〜3割増えている)
しかし、現在の多くのアカウントでは指名キャンペーンでも入札戦略に「コンバージョン数の最大化」などを採用していることが多く、中には(意識できているかはさておき)P-Max で指名クエリをカバーしているようなケースもある。
そうなると、推定 CVR の高い指名キャンペーンの表示機会の増加は、そのまま大幅なコストアップに結びつく可能性が出てきてしまう。コンバージョンを目的とする自動入札(たとえば目標CPA)の場合、キャンペーンの CVR が上がると許容できる上限 CPC がそのまま引き上がるので、平均 CPC は高騰しやすい。

また、仮に目標 CPA でなかったとしても、CVR の高い指名ワードは上部と下部のどちらかのオークションに入る可能性が上がるので、指名キャンペーンの配信量増加にともなってアカウント全体の費用も増えていく。予算が潤沢にある企業を除けば、キャンペーンの日予算に届く日はしだいに増えていき、増やさない場合はインプレッションの抑制につながってしまう。予算があれば費用が増え、予算がない場合は機会損失になるというジレンマが起こるだろう。
あとは、直接的な影響ではないが、レポートの読み解きに慎重になることが増えた。
Google 広告の管理画面では、「分類」から「上部 vs その他」を選択することで広告掲載位置ごとのパフォーマンスを確認できるが、2025年4月以降、「その他」の表示回数が増加しているアカウントが多い。

この現象を本記事の文脈に沿って考えれば「ダブル・サービングの影響だろう」と思えるが、たとえば仮にこれが「 3−4月に上昇しやすいサービスや商品」だったとすると、レポートの読み解き方が変わってしまう。純粋な増加なのか、それともダブル・サービングによる影響なのか、判別するすべがないからだ。
同じような意味で、オークション分析レポートの重複率なども読み込みの難易度が上がってしまう。単純な値の変化だけでは、それが実際の競争力の変化を反映しているのか、それともダブル・サービングの影響によるものなのかを判断するのは困難だ。「競合ががんばっている」かどうかは、もはや数字だけではわからない。
※広告が上部と下部の両方に表示された場合を示すような指標が提供されればまた変わるかもしれない(けど、アクションに結びつかないのでおそらく提供しないだろう)
どうすればいいのか
ここまで長々と説明してきたが、じゃあ結局どうすればいいのか?といえば、これは胴元の都合によるルール変更なので、参加者である広告出稿側は、そのルールに従うしかない。
身も蓋もないが、ルールを理解して、そのルール上で損をしないように、あるいは少しでも得ができるように運用していくしかない。今までやってきたことだ。
かつてのシンプルなオークションでは、広告ランクの高い順に上から並べていたので、関連性と掲載位置、品質の担保が一貫していた。しかし現在では、上部と下部で別々の競争が行われ、上部の勝者も下部に参加できるという、二重構造のオークションになっている。
すでに述べてきたように、これは広告主にとっては費用の増大を招きやすい。個人的にはオークションモデルの整合性を盾に文句の一つでも言いたくなるが、プラットフォームはすでに品質向上による参加者の増加を報酬とするフェーズは終わり、参加者からより多くの費用を徴収することを報酬とする段階に変わったのだと思う。駄々をこねても変わらないだろう。
より多くの費用を徴収するルールでは、大規模な予算を持つ広告主のほうが勝ちやすくなる。公平性の高いボトムアップのインターネットの象徴であった Google 広告はすでになく、中小規模の広告主が採れる戦略は減りつつある。※頼みの綱だった拡張CPCもなくなってしまったし
こうして書いていくとどんどん暗くなってしまうのだが、塞ぎ込んでいても仕方がない。こういう面倒で厳しい環境下でどうやって生きていこうかと考えるときに、人は自然と知恵が出てくるのではないだろうか。
仮に自分たちが予算の少ない小企業だとして、投入できる物量にものすごく差がある場合に、どうにかして互角に戦おうと思ったら採れる戦略は割とすぐに決まる。局地戦であり、ゲリラ戦だ。
そういう戦い方に切り替えた時点で、自然と巷に溢れているベスト・プラクティスとは異なる方法を採用することになるはずだ。だから考えるしかない。AI まみれの広告システムを使っているからこそ、人間は自分の頭と身体を使って、もがきながら考え抜くしかない。




