LIFT は、金沢・北陸を中心としたメンバーと各分野のスペシャリストがアドバイザー(顧問)として加わった複合型組織です。デジタルマーケティングに深い知見と経験を持つ田中さんは、東京にいながらなぜLIFTに伴走してくれるのか? 実際のところをお聞きしました。
Yuwai 代表取締役(兼 LIFT テクニカルアドバイザー)
田中 広樹
たなか ひろき
日本放送協会で放送エンジニアとしてキャリアをスタート、後にキャリアチェンジでインターネット広告の世界に飛び込む。 大手インターネット専業の広告代理店で約3年の勤務を経て、フィードフォースグループ株式会社(東証グロース)傘下のアナグラム株式会社にて創業期メンバー(第一号社員)として参画。同グループ傘下の株式会社フィードフォースの監査役も兼務しつつ11年8ヶ月従事し2023年8月に退職。後の2023年9月にYuwai株式会社を設立。 運用型広告の運用のほか、Google ショッピング(Google Merchant Center)、データフィード広告、Google タグマネージャー、Google アナリティクスなどマーケティング関連プラットフォームの活用に強みをもつ。
エンジニアから広告運用への転身
ーー田中さんは界隈ではとても有名なのでアレですが、改めてご経歴についてかんたんに教えてください!
田中:Yuwai の田中です。高専を卒業後にNHKに放送エンジニアとして入り、その後に大手広告代理店で広告運用にふれることになりました。2009年あたりですかね。そこから 2012年に広告運用のアナグラムに1人目の社員として参加。11年ほど在籍して2023年に独立しました。Yuwai では事業主がインハウスで広告を運用する際の支援や、広告代理店の若手社員へのトレーニングやサポートを行っています。
ーー田中さんと代表の岡田は思えば長いお付き合いです
田中:そうですね。岡田さんがアナグラムの社外役員になられた頃からなので、もう10年以上ですよね。
首都圏と地方経済とマーチャントセンターと
ーー田中さんといえば Google マーチャントセンターにお詳しい印象があります
田中:元々は Eコマースのお客さまを担当していたので、その流れでショッピング広告のデータフィードを勉強しはじめて、それが高じてイベントにも登壇するようになりました。続けていくとそれっぽくなっていくもので、徐々に「ショッピング広告といえば田中」みたいな感じで呼ばれることが増えてきました。
Eコマースはインターネットの最重要分野の一つですので、コロナ禍のときのようなジャンプアップはなかったとしても、今後も拡大していく可能性が高いのですが、一方で、ショッピング広告のような仕組みはその市場規模ほどは使われていません。
ちゃんと使えばかなり有効な仕組みなのになぜ使われないんだろうと考えたときに、一つの理由は、それを理解して活用できる人が少ないということが挙げられるなと。
ーーたしかにとっつきにくさはありますよね。マーチャントセンターって何?みたいな
田中:わかりにくいですよね。首都圏でもそうなのに、Eコマースを活用すべき地方こそより使われていない。もし地方の人々にこれをうまく活用してもらえれば、プラットフォーム自体は外資が多いですけど、流通は国内なので、地域にちゃんとお金が回っていくことにつながるはず。
独立するにあたって、これを自分の会社の将来的なミッションにしようと考えました。つまり、日本国内でお金を回すために、インターネット広告やデジタルの力を使った集客の仕組みを使えるようなサポートをするということです。これは首都圏でも地方でも関係なく共通の課題ではありますが、特に地方ではこの仕組み自体が知られていないので、少しでも広めていきたいと考えています。
LIFTに伴走する理由
ーーLIFT も2022年に東京から金沢へ移転しましたので、課題感としてはよくわかります
田中:自分のリソースだけで支援事業を行うと、がんばっても数社が限界です。でも、同じ志を持つ方々を支援できれば、たとえば支援者側を支援できれば、それはレバレッジが効くはずだと考えています。
LIFT が支援する企業さんが増えれば、僕が LIFT を支援することでよい影響を広げることができるんじゃないかと。金沢を拠点にしている LIFT のみなさんと一緒に活動することで、僕のミッションもその延長線上で実行していけるのではないかと感じています。
ーーありがとうございます。田中さんが支援する会社の基準とかってあるんでしょうか?
田中:ありますよ。たとえば広告代理でどんどん儲けたい!という会社よりは、広告をつうじて世の中を豊かにしたいという考えを持っている組織や人ですね。レポートを改ざんしたりとか、クリエイティブを盗用したりとか、そういった悪質な代理店も中にはいますので、、、そうではなくて、ちゃんと社会に貢献する機能として広告を考えているかどうかは大事だと思っています。
ーー広告は応援業ですもんね
田中:そうですね。広告は本来「世の中を良くする」ことができるはずだと考えています。そういう広告フォーマットが減って悪者扱いされることが増えてきちゃいましたが、本来はできるはず。なのでその倫理感というか、目線が合うかどうかは気にしています。
LIFT はやっぱり岡田さんがつくった会社だから応援するというのが本音ですね。どういう意図で会社を立ち上げられたのかもお聞きしましたし、地域貢献という観点でも、岡田さんが東京から金沢に移って新たな環境でチャレンジされているのは非常に面白いと思って見ています。
地方だと支店経済というか、特に広告だと大手の下請けが多くなりがちだと思うんですが、岡田さんはそれだと社員のキャリアが拓きにくいからという理由で直接取引にこだわっている。そういう姿勢が素晴らしいと思うし、その活動を見て学びを得ている部分も多いです。
将来的に私も地方に焦点を持つことになれば、LIFT は一つのロールモデルになるだろうと思います。実は私の実家も日本海側ですし。
ーー我々も何か技術的にむずかしいことがあっても、田中さんに聞けるというのは心強いです
田中:広告運用だけでいえば私よりも上手な人はたくさんいますが、技術面や法律面、デジタルマーケティング全般など、幅広く対応できるのは私の強みだと思っています。そういうところに価値を見出してもらえれば嬉しいです。引き続きどうぞよろしくお願いします!
ーーありがとうございます!こちらこそ引き続きどうぞよろしくお願いいたします!
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